ミドリムシ(ユーグレナ)の特徴

ミドリムシ(ユーグレナ)の特徴

栄養が豊富な食材として、また新たな栄養・美容のサプリメントなどとして話題のミドリムシ。一体どういう生き物なのでしょうか?
「ムシ」と名前に付いているため、虫の仲間のように思えますが、実はそうではありません。ミドリムシは顕微鏡で見えるくらいの小さな微生物で、ワカメや昆布と同じ藻類に属しています。

ここでは、ミドリムシが持つ性質や特徴、そしてその可能性などをご紹介いたします。

ミドリムシ(ユーグレナ)は2つの性質を併せ持つ

ミドリムシ(ユーグレナ)は2つの性質を併せ持つ

ミドリムシは体長0.02~0.5mm程度の小さな微生物です。
学名はユーグレナ。ラテン語でユーは「美しい」という意味を、グレナは「眼」を意味しています。
ミドリムシは5億年前に地球で誕生したと考えられています。

このミドリムシ、実に変わった微生物で、植物と動物の両方の性質を持った珍しい生物なのです。植物と同じく光合成ができ、動物と同じく動き回ることができます。
学術的にも、植物と動物のどちらにも分類することができていません。その議論は未だに続いています。
動物と植物の両方の性質を持っていることから、動物性と植物性の両方の栄養素を豊富に併せ持つという最大の特徴があります。

ミドリムシ(ユーグレナ)には細胞壁が無い

ミドリムシは食品としての有用性が高い生物です。
その理由として、細胞壁が無いということが挙げられます。

通常の植物、いわゆる普段私たちが食している野菜には細胞壁があります。正しく調理をしてしっかり噛んで食べたとしても、細胞壁があることによってその栄養の吸収率は約40%前後となってしまいます。

逆にミドリムシは細胞壁がないため、栄養素の吸収率が高くなります。非常に効率よく栄養を摂取することができるのです。

それでは動物はどうでしょうか?牛や豚などの動物性食品には細胞壁がないため、栄養素の吸収率は97~100%となり、ほぼ吸収されます。

細胞壁の無いミドリムシの栄養吸収率は93.1%となっており、動物性食品並みの吸収率であることがわかります。

ミドリムシ(ユーグレナ)を大量培養できたワケ

ミドリムシ(ユーグレナ)を大量培養できたワケ

1950年代からミドリムシの大量培養には多くの人々が挑んできました。日本でも、ニューサンシャイン計画という国家プロジェクトが立ち上がり、1980年代から研究が推進されてきました。
しかし大量培養は達成されることなく、計画自体が2000年に終了してしまいます。

そんな中、世界で初めて大量培養に成功したのは日本のベンチャー企業、株式会社ユーグレナです。東京大学の研究から始まったその取り組みは会社を立ち上げるまでになりました

当初は他の微生物が混入しないような、クリーンな環境での培養を試みていましたが、何度もミドリムシは絶滅。その後、環境が整い少しずつ培養できるようにはなりましたが、とても僅かな量のミドリムシしか培養できませんでした。

そこで発想の大転換をします。それは、他の生物が侵入できないようにするのではなく、ミドリムシしか生きられない環境を作るということに着眼を変えるというものだったのです。研究を重ねた結果、株式会社ユーグレナはミドリムシしか生きられない培養液を作ることに成功しました。

この結果、2005年ついに世界初の大量培養に成功します。それまで月に耳かき1杯程度しか培養できていなかったのが、実に66kgものミドリムシを一度に回収することができ、製品化への道が開けた歴史的瞬間でした。

地球温暖化防止にミドリムシ(ユーグレナ)が一役買う?

地球温暖化防止にミドリムシ(ユーグレナ)が一役買う?

サプリメントや化粧品など、健康・美容の面で注目されているミドリムシですが、地球温暖化対策の新たな可能性として注目されていることをご存じでしょうか?

ミドリムシは先述通り、植物としての性質がありますので、もちろん光合成をします。二酸化炭素を吸収し酸素を生成します。
そして普通の植物の場合は、二酸化炭素濃度が通常の300倍になると枯れてしまいますが、ミドリムシは二酸化炭素耐性が非常に強いのです。
実証実験では、ミドリムシに火力発電所の煙突から出る直前の排ガスを直接吸収させたところ、大気中の約400倍である二酸化炭素濃度15%という高濃度の中でも光合成が可能であったと報告されています。
これは人間を含め多くの生物が生きられない環境ですが、ミドリムシはこの環境下でも通常の20倍の速度で増殖したそうです。

二酸化炭素を取り込んで酸素に変換する光合成能力も高いため、ミドリムシは地球温暖化防止を担う素材としても注目を集めているのです。

ミドリムシ(ユーグレナ)で飛行機が飛ぶ?

植物の特性を持つミドリムシは光合成の際に代謝する油脂成分が、燃料として利用することができることがわかっています。いわゆるバイオ燃料としてのミドリムシ活用法です。

さらに、ユーグレナの出す油脂成分はジェット燃料に適した構造を持つこともわかり、次世代のジェット燃料として有望視されています。
バイオ燃料ということは石油など既存のエネルギーに代わる代替エネルギーとして利用できる可能性があるということです。
地球のこれからを考える上でも、未来の子供たちに美しい地球を残していく上でも、その可能性に夢が広がりますね。

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